概要
2008年発表、著者:歌野晶午、第8回本格ミステリ大賞(小説部門)候補。
表紙より
5人の残虐な殺人者が自らの手で犯した狂気の殺人を
推理ゲームとして出題しあう。
そこに誰一人まともな人間などいない。
淡々と楽しそうに殺人を繰り返す殺人者達。
そのゲームの行き着く先は
読者の想像もしない結末だった。
あなたはこの恐ろしい物語を
どう受け止めますか?
感想
- 全く共感できない…が
まず、登場人物が「頭狂人」「044APD」「aXe」「ザンギャ君」「伴道全教授」というハンドルネームを持つお互いの顔も素性も知らない5人で、ネット上のビデオチャットで殺人推理ゲームを行っているという設定。
毎回出題者を一人決め、実際に殺人を犯して問題を出しており、探偵役はテレビや新聞、場合によっては自分の足で現場を訪れ情報収集をし推理していくというゲーム。
犯行動機は問題を出題する為なので、そこに人間関係からくるドラマ等は存在しない。推理ゲームを楽しみたいだけなのです。
この全く共感も理解も出来ない状況で進んで行くのですが、何故かリアルに感じてしまいます。
実際にこのような人達が存在していそうな怖さがある。
一人ずつ出題していく流れなのですが、最初の問題がなぞなぞのような感じで、そんなふざけた問題を作る為に連続殺人をと思うとゾクっと背筋が凍ります。 - 謎の人間性
ビデオチャット上でそれぞれのキャラや関係性などは特徴的に描いているのですが、その奥底の本当の人間性が分かりません。
会話部分の言動などは同じ趣味を持つもの同士の楽し気な会話なのです。しかし内容が実際の殺人という理解できない事なので。
ですが、読み進めていくうちにその人間性が見え隠れするような描写がチラチラと現れてきます。「なんだ、意外と可愛気があるのか?」と思いそうになります。そんなわけがない凶悪犯なのに。
で、この人達の行きつく先は何処なの?という疑問を持ちながら最後まで読むことになりました。
この人達の本質は何なの?というのが、私にとって最大の謎だったのかもしれません。
それぞれの殺人を回答者と同じように推理して考える要素もありながら、この不思議なコミュニティーの終着駅を予想するという、読み応えのある内容でした。
「密室殺人2.0」という続編があるので是非そちらも読みたいと思います。
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