映画『死刑にいたる病』ネタバレなしの感想

ミステリー、サスペンス映画

残酷でグロテスクな描写があるので観る人を選ぶ作品だと思います。ご注意下さい。

2022年公開。「凶悪」「孤狼の血」の白石和彌監督が、櫛木理宇の小説「死刑にいたる病」を映画化したサイコサスペンス。
主演:阿部サダヲ、岡田健史(現:水上恒司)。PG12指定。
  • この榛村大和が言うのだから…
    榛村大和とは24件の殺人容疑で逮捕され、そのうち9件で立件・起訴・死刑判決を受けている連続殺人犯。
    普段は人当たりが良く優しそうな雰囲気なのですが、気に入った獲物を見定めると、時間をかけて警戒心を解かせて距離を縮めます。そして頃合いを見計らって連れ去り、残虐に拷問をした後に殺して快楽を得るという超ド変態サイコパス野郎です。

    ですがその怪しい魅力に取りつかれる人間もいるようです。
    榛村の残虐性に恐怖を感じてはいるのですが、自身の心の隙間に入り込み奥底に眠る欲求を解放され、一種のマインドコントロールを受けているような描写もあり、特に自己肯定感の低い人間にとっては強烈なカリスマ性を発揮している印象を受けます。

    刑務所では自分の行った連続殺人について冷静に理路整然と語り、罪は認めるし死刑も受け入れると言うのですが、最後の事件に関しては冤罪だと訴えます。そして真犯人を探して欲しいと、もう一人の主人公である筧井雅也に伝えるところから物語が展開していきます。
    冒頭から榛村という異常なキャラクターと最後の事件の真相が気になり、グッと引き込まれます。
  • 筧井雅也の危うさ
    父親の期待する成果を残せずに鬱屈とした生活を送っており、今にも爆発しそうな不満や不安を抱えていそうな印象である彼が、榛村と会話をする度に自身を肯定されたかのように感じ、ゆらいでいくような描写が非常にリアルに感じました。
    悪い大人に騙されて陶酔していく若者ってこんな感じなのかな?と。
    本来の自分を徐々に解放しているかのような変化が物語に妙な緊張感を持たせていたと感じます。

犯行シーンではかなりグロい描写がありましたが、その描写があるからこそ榛村大和の異常性が際立ち、各場面に説得力が生まれていたと思います。

最後の殺人の真犯人とその動機、そしてラストシーンは観ている側も駆け引きの対象だったのか?といった面白さに繋がっていました。

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