映画『ゾディアック』のネタバレなしの感想

ミステリー、サスペンス映画
『ゾディアック』(Zodiac)は、2007年のアメリカ合衆国のスリラー映画。監督は「セブン」「ファイトクラブ」のデビッド・フィンチャー、主演はジェイク・ジレンホール。日本ではPG12指定。実際に起きた未解決連続殺人事件(ゾディアック事件)が題材になっている。原作はロバート・グレイスミスによるノンフィクション小説『ゾディアック』(Zodiac、1986年)および『Zodiac Unmasked』である。なお、原作者の主張する犯人とは異なる様々な説が現在も論じられている。

1960年代から1970年代にかけて、アメリカのカリフォルニア州で発生した一連の殺人事件で、その最大の特徴は、犯人が自らを「ゾディアック」と名乗り、警察やメディアに暗号や手紙を送り続けた「劇場型犯罪」であることです。
少なくとも5人以上の無差別な男性・女性を殺害し、その後も警察を挑発するような手紙を送り続けテレビや新聞での報道が大きな話題になりました。
当時のアメリカ社会を震撼させ多くの謎を残し、現在も未解決のまま迷宮入りしています。

  • 謎解きではない
    この作品は、謎解きや真犯人探しが主のミステリー映画だと思って観ると、肩透かしにあうのかもしれません。

    視聴前に実際の「ゾディアック事件」の概要をザックリとでも頭に入れたうえで視聴して、「ああ、そういう考え方もできるのか」や、「もしかしたらこれが真実なのかもしれない」と考察しながら観る映画なのかな?と感じました。

    この事件の情報を全く入れずに視聴し、「こんな事件が実際に起こったのか!」という観方もあるのかもしれませんが、どちらにせよ謎を解いて犯人を割り出して決着するという内容ではありません。

    ですが、「真犯人は謎のままです」といったラストではなく、原作者のロバート・グレイスミスが事件の犯行声明文の解読や、各管轄署に散らばった情報を集め、あらゆる角度から整理・分析した上で辿り着いた答えは、一つの説として提示されます。
  • 人生がねじ曲がっていく怖さ
    犯行後に警察やマスコミへ多くの犯行声明文を送りつけたことから、「劇場型犯罪」の一つとして有名であるこの事件に関わった人間が、捜査や取材をしていく中で人格や生活がねじ曲がっていき崩壊していく様がこの作品の怖さであり見所なのかな?と感じました。

    日本での有名な劇場型犯罪といえばグリコ森永事件があります。
    事件の一連の流れの中で、犯人とニアミスし、あと一歩で取り逃がした滋賀県警本部長は「責任はすべて私にある。取り逃したパトカーの警察官に責任はない」と公言して辞任挨拶の記者会見後、遺書3通をのこして自宅で灯油をかぶり焼身自殺した件を思い出します。
    優秀な方であったのに、この事件がなければ全然違う生涯だったと思うと、恐ろしさがこみ上げてきます。

主要人物の人格や生活、事件に取りつかれていく者や、逆に取りつかれていた者が逃げるようになったりと、若く溌溂としていた人達が、この事件との関わりの中で年月をかけて崩壊していく怖さがジワジワと伝わってくる快作です。

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました