概要
映画『罪の声』は、実際にあった昭和最大の未解決事件であるグリコ・森永事件をモチーフに、過去の事件に翻弄される人々の姿を描くサスペンス映画。
監督は「麒麟の翼 劇場版・新参者」「映画 ビリギャル」の土井裕泰、主演は小栗旬、脚本はドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」などで知られる野木亜紀子、原作は第7回山田風太郎賞を受賞するなど高い評価を得ている2016年発表の塩田武士の同名小説。
第44回日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞。
あらすじ
新聞記者の阿久津英士は、昭和最大の未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、30年以上前の事件の真相を求めて、残された証拠をもとに取材を重ねる日々を送っていた。その事件では犯行グループが脅迫テープに3人の子どもの声を使用しており、阿久津はそのことがどうしても気になっていた。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也は、父の遺品の中にカセットテープを見つける。なんとなく気になりテープを再生してみると、幼いころの自分の声が聞こえてくる。そしてその声は、30年以上前に複数の企業を脅迫して日本中を震撼させた、昭和最大の未解決人で犯行グループが使用した脅迫テープの声と同じものだった。
「俺の声だ…」
感想
- 子供の声
モチーフとなっている「グリコ・森永事件」の証言や遺留品、それに基づく考察本など数多くの情報が出回っていますが、その中で私が最も注目したのが、少女や男児の声による脅迫テープの存在です。youtubeにも音声が上がっています。
これが加工した音声ではなく、本当に子供に台本を読ませて録音したものだと思うと、身の毛もよだつ恐ろしい犯人です。初めてこのテープの存在を知って音声を聞いた時に、ことの重大さを理解できない子供にこんな業を背負わせるのかと憤りを感じたのを思い出します。
この映画は正にその部分に焦点を当てた作品で、胸に強烈に突き刺さります。
悲しみや怒りが自分の中から湧き出るのを感じながら観ていました。
- 実際の事件とリンクする
映画の内容がグリコ森永事件と重なる描写が多々あり、かなり生々しく感じました。脅迫電話の声の主は勿論のこと、警察の連携がとれておらずに高速の高架下で犯人を取り逃がした場面や、警察に内通者がいたという説や、犯人が乗り捨てた盗難車から採取された金属物質から産廃業者が割り出された件や、その産廃業者の繋がりで暴力団の元組長が浮上した件、株価操作説等々。
ですが、犯行に関わった人間の感情やその後等は、勿論分かりません。それを補完する一つの説のような感じで興味深く観ることができました。
実際の犯人はどういった思いや感情で犯行に及んでいたのでしょうか?そして生きているとしたらかなり高齢だと思いますが、現在はどのような心境なのでしょうか?
利用した子供に対してはどのような思いなのか?その子供は元気に人生を歩んで来れたのだろうか?
視聴後にそういう事を考えさせられる作品でした。



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