何度もひっくり返る『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』ネタバレなし

ミステリー、サスペンス映画
『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』は、2019年のフランス・ベルギーのスリラー映画。 監督はレジス・ロワンサル。
世界的ベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」をはじめとするダン・ブラウンの小説「ロバート・ラングドン」シリーズの出版秘話をもとにしたミステリー映画。シリーズ4作目「インフェルノ」出版時、違法流出防止のため各国の翻訳家たちを秘密の地下室に隔離して翻訳を行ったという前代未聞のエピソードを題材に描く。

憧れる空間
本作の舞台である洋館のシェルター内の環境が大変魅力的に映りました。
秘密保持の為に電話やネットも繋がらず、外の人間と接触もできない隔離生活ですが、共有スペースにプールやボウリング場完備、観るのに一生かかる映画コレクションもあります。好きな小説に関わる仕事をしつつ3食付きで過ごせます。

仕事以外ではできる限り好きな読書や映画鑑賞やゲームをして、他人との関りは避けたい引きこもり気味の私にとっては夢の空間です。
少年時代に観た劇場版ドラえもんの序盤で、秘密道具を駆使して夢の環境を構築する場面で目を輝かせてワクワクドキドキしていた感覚が蘇りました。

オタクな登場人物
9人の翻訳家達は本当に「デダリュス」という小説のファンでオタク気質なのが伺えます。翻訳作業というのは大変な仕事なのでしょうが、好きな者を語り合えるコミュニティーが生活空間の中に構築されていき、現在進行形で翻訳作業をしている小説の展開について意見を交換しあいます。
ああ、この人たちは本当に小説がすきなのだろうと思え、部分的には凄く共感でき、作品に引き込まれました。

導入が殺人ではない
物語の導入部分で、犯人の目的である金と引き換える担保が人質や命ではなく、人気作品の商品価値であるという点や、ネットやマスコミを駆使して対世間に対してアピールする劇場型犯罪であることが、その昔に迷宮入りした昭和の怪事件、グリコ森永事件を連想しました。
ゾクゾクします。
でも物語はそれだけでは終わりません。

方向を変えつつ展開する物語
どんでん返しが凄い!という映画のレビューをよく見ますが、この作品は状況や推理の対象がどんどん変化していきます。ラスト一回のどんでん返しどころではありません。
物語が多層構造になっており、本命の謎だと思っていた事が以外にあっさりと明らかになったかと思えば、事件の方向性が変化して「この物語の本筋はこれではなかったのか?」と思っている最中に更に謎が浮かんでくるといった具合です。

よくできた作品だと思いました。エピローグで最後は余韻を引っ張ってというタイプではなく終盤は一気に観させます。幕の降ろし方には色々と思う部分もありますが、最終的に語り合う時に面白いのは賛否ある作品だとも思います。


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